本物と偽物を隔てるもの、
例えば一生売れないまま死んだとする。
でも僕が本気で音楽を追いかけて死んだのなら、僕の人生は紛れもなくロケンローラーだ。
僕がそう認める。誰にも否定はさせない。
ただの意地だと言われるかも知れないし、実際その通りだ。
様々な諦める理由を克服し、多くの人たちの引退理由である所謂、経済的な問題もねじ伏せ、初期衝動を膨らませ続け一生を駆け抜けることができたならば。
単純に言えば本物になるまでリタイアしないかどうか、だ。
ただそれは言葉で言うのと行動を伴うのとで途方もない違いがある。
「売れる売れないの問題ではない」とはよく聞くがそれを言っていた人達の99%は既にステージを降りていった、理由はそれぞれだが。
僕はそれを悪い事だとは思わない。
それぞれにそれぞれの思いがあって、想い描いていた夢を白く塗り潰したのは容易に想像できる。
そして通常は考え方は往々にして変わっていくものだ。
しかし残念なことに、僕らは違う。
例えば売れないままに歳を経て、音楽を諦めるか諦めないかの岐路に立たされたとする。
通常の人間なら音楽を諦めて生きる道を選ぶだろう。
ただ、これは僕らには当てはまらない。
大袈裟ではなく生きるか死ぬかの選択と何ら相違ない。
僕にとってロックを追う人生を過去の思い出話にしてしまう事とは、つまりは実質的な死を選ぶ事を意味する。
何が言いたいのかと言うと僕は僕の将来の為、一時的には音楽以外の事をしてでも一般的な引退理由に上がりやすい金銭的問題から解放されなければならない。
音楽で稼げる様にならなければ意味が無い、という考えは捨てたんだ。
音楽で稼いだお金と仕事で稼いだお金は価値が違うって?
その通りだ。そんな事は僕こそが一番身に染みてわかっている。
わかった上で僕は「音楽を追いかけ続ける僕」を守る為、金銭的な事由で将来生きるか死ぬかの岐路に立たされ無い為に。
今、遠回りしてでも将来の僕を守らなければならない。
自由に生きたいと思えば色々な困難がある、むしろ自由に生きたいのであれば立ち向かい続けなければならない。
あの日の少年が胸に抱いた大事なものを守る為、そして将来の僕の命を守る為。
大丈夫、今の僕なら何度倒されてもロックが流れ出せば立ち上がりそして立ち向かうぜ。
ロックは死なない。
僕は僕を全力で生きなければならない。
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